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 話しているうちに、足元の地面が濡れているのに気付いた。 「ここ、夕立が降ったんだ…。もう止んでるけど」  そこは見たこともない街だった。道の両側には様々な店が建ち並んでいる。  コンビニから、ストライプ柄のシャツを着た男性が、買ったばかりであろうビニール傘を持って出てきた。 「あれ、雨が止んでる」  その男性のストライプのシャツは、髪や肩の辺りがちょっと濡れていた。きっと夕立に降られて、傘を買いに慌てて店に入ったのだろう。  男性は、こんなことも呟いた。 「おっ、肩凝りが治ってる。ああ、良かった」 「あら」  喫茶店の店員さんが、お店の前に置いた観葉植物を見て、驚いた声を出した。 「枯れそうだったトレディスカンティアが、元気になってる!」  その観葉植物は、緑の葉に白いラインが何本も入っているので、縦ジマ模様と言えなくもない。
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