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3.白馬の王子
ゴーンゴーン…
12時の鐘がなる。
今日は村神様のお葬式日。
一年に一度だけ魔女と人間が一緒に行動できる日。
疎まれないように、私は人間のフリをするけれど。
「そこの姉ちゃん、俺らと乱○パーティなんてどうだい!?」
「ギャハハハハ!!」
「おいおい、可哀想だろぃ?見るからに未成年だぜ?」
「そうだな、いって20くらいってとこか。あんたいくつだ?」
「あー…お誘いありがとう、でも遠慮しておくわ。歳は…そうね、15よ」
「15じゃ駄目だな、俺らが捕まっちまう」
「ウフフ…………、じゃあそろそろ」
立ち退こうとしたその時。
「おやおや、この辺では見かけない顔立ちだねぇ。学校でも見たことないけど…君ホントに15?」
「うあぁ!王子だ!嫌だ!みんな逃げろ!」
現れたのは白馬に乗った美形の男。髪色は金色、目の色は青だ。私を乱○パーティに誘った男らは、彼を「王子」と言って逃げて行ったが…。
「おや?君は逃げなくていいのかい?」
「…彼らは何故逃げたの?」
「おや、君は僕の噂を知らないの?」
「…引っ越してきたばっかりだから…その…よく分からないわ」
「へぇ…」
ゴーンゴーン…
鐘が鳴る。もうじき村神様のお葬式が始まるのだ。
「…もうすぐね」
「そうだね……あのさ、君」
「何?」
「良ければなんだけど、このお葬式が終わったら少し話をしないか?」
「………いいけど…夜には戻らないと」
「あぁ、それは勿論。あと、名前を聞いていなかったね」
「そうね」
「僕はハルト。この国の王子だよ」
「私は…リーナ。よろしくね」
「よろしく、じゃあまたここに来てくれる?」
「わかったわ。それじゃまた」
「うん、またね」
ハルトは白馬に乗って行った。
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