命の架け橋

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人生の終演、その結末が哀しい幼少時代だと悟った時、自らの頬に感じるあたたかな温もり。  ふわふわの毛でモフモフしたしっぽを、左右にフリフリしながらいつも一人だった私の事を受け止めてくれていた存在――、 『そうだ……、 あの頃、私の傍にはいつも変わらぬ心の友がいた』  どんなに辛く切ない日々を送っていても、当時飼っていた愛犬だけはまるでその全てを分かっている様に慰め寄り添ってくれた記憶。  ずっと気になっていた三十代の頃、唯一やり残した一つの後悔を思い出す。 『愛犬、私はあの頃、大人になったら犬を飼う事を決めていたんだ』  しかし、その夢は叶う事は無かった――。 大人になった私は、当時ずっと傍に寄り添い助けてくれた愛犬の事を忘れてしまっていたのだった。
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