個性すぎるお迎えの人

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 会社に着くと先ずは事務所に入る。そしてPCを立ち上げメールをチェックし、何も無ければそのまま現場に入る。これが僕の毎日のルーティンだ。  今朝もその流れに逆らう理由など無く、僕はそそくさと現場に入った。 「おはようございます」 透き通るような声。朝から声帯の調子がすこぶる良い。奥の机から「おはようございます」といくつかの挨拶が返ってくる。  やや遅れて閉めたはずの背後のドアからギッという音がした。僕が振り返るのを待ってたかのように目を合わせてくる。そしてその瞬間、「おはようございます」と挨拶をされる。すかさず僕も「おはようございます」と返すと、天を引き裂くような大声で「あぎゃっぎゃっぎゃー!」と爆笑される。基本はこれだが、たまに、「ふぇーふえっふぇーー!」というパターンもある。本当に不思議なオバサンだが、これがいつものお迎えの朝の様子。  
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