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「なあ……死ぬ気になったら何でもできるってのはさあ……」
軒から落ちるしずくを見ながら俺は言った。
「あれは……死ぬ気になったらどんな恥でも凌げるってことなんじゃないかねえ」
「ふうん……ああ……そうかも…しれんなあ」
「なあ……」
窓の方を向いたままでつづけた。
「一緒に生活保護の相談にいってみないか?一緒の方が心強いじゃないか?」
「……そうだな‥‥そうするか」
「だめだったら、テント暮らしでも、空き缶拾いでも、一緒にやろうや」
「そうだなあ。生きてる間は……生きていくしかないかねえ」
そろそろ雨が上がる。
今夜はこの店で眠らせてもらおう。
ポケットの小銭を指先で探った。
明日の朝のパン代は足りそうだ。
(完)
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