雨女と晴れ男の恋

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「私、龍神がついててよかった」  ポロッと気持ちが声に出たその時、雨足が一気に強くなった。大量の水を被りながら龍神暴れすぎだと呆れていたら、晴翔やスタッフに引っ張られた。 「美雨、大丈夫か?!」 「申し訳ございません! お怪我はございませんか?」 「……え」 「びっくりしたあ……いきなり強くなるなんてな」  隣でびしょびしょになっている晴翔の視線を追えば噴水からさっきの数倍量のみずが噴き出してた。  式場のスタッフも意図していなかったらしく、ひたすら謝罪されてしまった。とりあえず着替えることになったのだけど…… (ん、何か軽い気がする)  いつもより体が軽くて周りが少しははっきり見える気がした。違和感……ぽっかり何かが外れたような……着替えの間中ずっとその違和感の正体を探ったけどはっきりわからなかった。  着替えとヘアメイク等をやり直してもらい再び外に出るとさっきよりかなり明るくなっていた。さすが、晴翔。でも私が出たら、と噴水に近づいても明るさは変わらない。 「あれ、なんで?」 「え、嘘」  空を見上げると雨雲はなくなっていて、太陽が顔を出していた。
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