雨女と晴れ男の恋

12/12
前へ
/12ページ
次へ
 晴翔も雨が降りださないことを不審に思ったらしく、思わず顔を見合わせた。 「晴れてきましたね ……あら、綺麗な虹まで」 「えっ?」  スタッフさんに言われてそちらを見れば空には大きな虹がかかっていた。  そこで、はっとした。龍神の役目ってまさか……私と晴翔を結ばせること?  それに晴翔も気づいたらしく、軽く手を握られた。 「龍神が、繋いでくれたのかもな」 「……うん」 「祀ってる神社ってあるのかな」 「あると思うけど」 「調べて行ってみるか、新婚旅行で」 「うん」  晴翔の手を握り返しながら様子を伺えばばっちり目があった。お互い照れ笑いを浮かべながら目をそらす。  そんな私たちに「せっかくなので、虹を背景に撮りましょう!」と提案してきたスタッフさんに「いいですね!」と返事をする。  これから続く幸せに胸を踊らせながら、もう雨の心配のない晴れた空の下、愛しい人と手を繋いだ。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加