雨女と晴れ男の恋

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(初めてひとりでやるプレゼンだから、もしかしたらって思ったけど)  予感的中。相変わらず大切な用事の前に雨が降る。時計を確認すれば約束の時間まであと30分はある。それまでに止むだろうか……念のため、担当の佐切さんに連絡をしておこう。 「……あ、もしもし、立木です。突然すみません。実は今最寄りの○○駅に着いたのですが、雨足が強くて動けないんです。弱まってから向かいますのでもしかしたらお約束の時間に間に合わないかもと思いまして」 「あーじゃあ、うちのに迎え行かせますよ」 「え、でも」 「大丈夫っすよー、うちのカサナシなら」 「えっ」 「超晴れ男なんすよ。ちょうど今暇してるみたいなんで、行かせますわ。そこで待っててください」 「は、はあ」  終話アイコンをタップしながら、まさかという気持ちがよぎった。  晴れ男のカサナシ君、なんてこの世にふたりといるだろうか。本当にカサナシという名前なのか、それともあだ名? 本人が来ればはっきりすることなのに妙にそわそわするのは、やっぱり 「立木さん」 「!」 「……やっぱり君、立木美雨さん、だよね。片科雪斗の同級生の」 「……片科のお兄さん」
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