ep.3

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 いつのまにかテレビを見ていた筈のキイチは眠ってしまっていて、ソファに完全頭が沈んでいた。真柴は自分が被っていたタオルケットをキイチにそっとかけてやる。 「寝顔は年相応の可愛い顔してるのにな……」  長い薄茶色の睫毛が夢を見ているのか小さく震えている。通った鼻筋から短い人中が繋がりその下にはハッキリとした縁の上唇が続いている。 「彫刻か、ほんと」  まじまじとその顔を見つめた。これは一日見てても飽きないアレだ。と真柴はその綺麗な頬を撫でた。 ──ご飯のお礼、言うの忘れたな……。すごい嬉しかったのに……それ以上にムカつくことをコイツが死ぬほど言うから……。 「キイチはどんな大人になるのかな……、お前の番はきっと激戦区だろうな……」  真柴はキイチと同じソファに頭を沈めて小さく笑った。パッとキイチの瞼がいきなり開いて思わず真柴は肩を揺らす。 「──アンタは? どんなやつと番になりたいの?」  ものすごい至近距離でキイチは真柴をじっと見つめる。何とも言えないαの迫力で頭が無意識に後ろに下がりそうになるのをキイチに掴まれた。 「──どんなって、そんな、わかんないし……それに俺、定年までは働きたいからあんまりそういうの考えてないっていうか……」 「本当にそう? 考えないように無理してるだけなんじゃないの?」 「うるさい、お前には関係ない……」 「真柴……」 「ちょ、もう、起きたなら帰れよ……」 「別のとこが起きた……」また下品なことを口にしてキイチは勝手に真柴にキスをした──。 「キイチ……やめ、やだっ」 「優しくするから、お願い」 「ふさげんな……っ」  床に引き込まれ絨毯(ラグ)の上に転ばされる。  抱き寄せられ何度も唇を合わせ、次第にそれが深いものに変わっていく──。 「キイチ……だめ……だ」 「でももう乳首立ってる──」 「バカっ」  もう遅かった。シャツの下から手を入れられてまだ腫れてる気がするそこを指で強く摘まれる。痛いのに……感じる。直に舐められて真柴は完全に力を無くした──。  自分を責め立てる男の頭を抱き寄せて、必死に耐えている真柴の震える太腿の間を割って、薄手のズボンの上から後ろを撫でてやるともう薄らと濡れていた──。無意識に真柴は甘い吐息を漏らす。 「真柴ってやっぱエロいよ──」  キイチは舌舐めずりしていやらしく笑ってみせた。そのまま未成熟な雄の部分を撫でられて真柴は腰を浮かせた。 「もう、さ──この匂いが本当にまずいんだって……」  苦しげなキイチはさっさと自身のズボンを下ろしてすでに起き上がった自分の雄を真柴に握らせた。 「ひゃっ……」  こんなものが昨日自分の中に入っていたのかと真柴は恐ろしくなった。キイチの大きな手に包まれながらそれを激しく擦らされてキイチがうっとりと気持ちよさそうな顔をするから真柴も思わず嬉しくなってしまう──。 「気持ちい……の?」とドキドキしながら尋ねる真柴に素直にキイチは頷いた。 「ね、真柴。舐めて──」 「へっ」  可愛いおねだりなんて信じてはいけない──。  それを口に咥えるまでは優しく髪を撫でていた手も今は真柴の口が離れないように後ろからしっかりと押さえつけている──。  大きくて顎がおかしくなりそうなのにキイチは離すのを許してくれない──。  ぐちゅぐちゅと頭を前後させて喉で締めろと高度なことを言ってくる。  真柴はどうしていいかわからなくて涙だけがひたすら溢れる。 「今度一緒にAV見ながら練習しようね?」と、とんでもないことを言われたが、真柴にはもうそれどころじゃなかった──。  口の中に苦いものが広がって中でキイチの雄が震えた。 「あ」と思った頃には手遅れで、キイチは盛大に口の中に全てを吐き出した。
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