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翌日、親友の奥秋を部屋に呼んで、真柴は洗いざらい話した。
途中一度も口を挟むことなく奥秋は最後までそれを静かに受け止めてくれた。
泣き腫らした顔の真柴の頭をいつもみたいに優しくポンポンと叩く。
「次は俺がまともで大人なαを紹介してやる」
「いらない──もうホント、懲り懲りだよ」
少しだけ真柴は笑顔を取り戻した。
「そう言うことを言う奴に限って嘘みたいにコロッと……」
「チョロいんだろ、わかったよ。頼むから二度と言わないで、俺だって学習くらいはするから」
二人はハイボールの入った缶で乾杯して真柴が酔い潰れて眠るまで呑み続けた──。
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