4話

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4話

 次の日、母は朝からずっと落ち着かなかった。  食事に集中できず自ら放棄したくせに、後になって「マリナがご飯を食べさせてくれない」と大声で癇癪を起こされ、もううんざりだ。  救世主にお願いする他ない。    私はやっと静かになった母を横目に、ようやく昼食にありつけた。  アサリの味噌汁をすする。  完璧に砂抜きがされているのに、何か物足りない。  そろそろだろう。  味噌汁を飲み干した時、インターホンが鳴った。  予定していた来客を感知した玄関のドアが自動で開き、訪問者がリビングに顔を見せる。  母が笑顔で駆け寄って行った。 「アキちゃん、なかなか来ないから心配したのよ。どこに行っていたのよ」 「ごめんなさい。大事なものを取りに帰っていたら、時間がかかってしまったみたいです」  そう言ったアキの首には、どこかで見た貝殻のネックレスが下げられていた。  この家政婦は、どうやら物事を円滑に進めるためのウソを覚えてきたらしい。
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