線路

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線路

ふと、思った。 ここで1歩、前に踏み出せば死ねる。 案外簡単に人って死ねるんだ。 でも、 蒸し暑さに蕩けるのは少し苦しそうだなと 冷静に、そう思った。 水の塊が目に染みた。 肌に纏わり付きそうなまであるこの感覚。 例えるのならみんなに見られてるような、 そんな感じ。 消えたい、と思う時はある。 その度に僕らは天秤にかけられる。 だいたい結末は決まっているけど。 だってその足、動かないじゃないか。 そして僕らはきっと、これからも生きてゆく。
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