キアゲハ

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「身延町の小学校で会ったことないよね?」 僕が質問すると水樹さんが、 「1学期が終わって身延町に引っ越したんですが、夏休み中にすぐに次の引っ越しが決まって、結局身延町の小学校に行くことはありませんでした。」 と少し寂しそうに話してくれた。 「そうだったんだ!  僕もあの夏休みは、とても楽しかったです。」 僕が水樹さんにお礼を言うと水樹さんが、 「小宮山さんと一緒にお仕事ができるのは、とても嬉しいです。  今後ともよろしくお願いします。」 と丁寧に挨拶してくれたので僕も、 「こちらこそ、よろしくお願いします。」 と返事をした。 「その本の写真は、キアゲハですね!」 水樹さんの質問に僕は、 「うん、そうだよ!  さっそくこの昆虫図鑑の改版作業を手伝っていただきますね!」 と言うと水樹さんは、 「はい、何でも指示してください。  頑張ります。」 と元気にはきはきと答えてくれた。 僕は水樹さんに、図鑑の編集作業の手順を教えるところから始めた。 その後の水樹さんは僕の指示に忠実に従ってくれて、とても良く頑張って仕事をしてくれる。 そんな水樹さんの姿を見て、僕は良きパートナーとしてやっていけそうだと思った。 小学校の夏休みの時に見た美しいキアゲハが、また僕の隣の席に舞い降りてくれたのだろうと僕は信じることにした。
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