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僕は東京の4年制の大学を卒業して出版社に就職し、2年目になる23歳の会社員になっていた。
主に子供向けの図鑑の製作などを担当していて、動物や植物、昆虫などを写真を使って分かりやすく解説して編集している。
僕は専門家のアドバイスを受けながら、主に解説の執筆と図鑑全体の編集作業を行っている。
ある日昆虫図鑑の改版作業を行っている時、僕は図鑑の蝶のページにあるキアゲハの写真を見つけて、小学校6年生の夏休みの懐かしい出来事を思い出していた。
僕が自分の机で作業をしていると上司が新人の女性を連れてきて僕に声をかけてきた。
「小宮山君、ちょっといいかな?」
僕は、
「はい」
といって立ち上がって、上司の隣に立つ女性の顔を見て驚いた。
その女性は、僕が小学校6年生の夏休みに出会った紗羽ちゃんにそっくりだったからだ。
「こちらが先日話した、今年入社した新人の『水樹(みずき)』さんです。
小宮山君と同じグループに配属になるから、水樹さんに仕事を教えてあげてください。」
上司の言葉に僕は、
「はい、わかりました。」
と誠実に答えた。
すると水樹さんが、
「水樹です。
よろしくお願いします。」
と少し緊張した様子で僕に頭を下げて挨拶したので、
「小宮山です。
よろしくお願いします。」
と僕も挨拶した。
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