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一階に辿り着くと、廊下を挟んですぐに居間へと通じる扉がある。
ふと中からは大きなイビキが聞こえており、扉を通り抜けると、食卓のテーブルに未だに熟睡した父親のロンドが、突っ伏している姿があった。
しかし、それを目撃してもサーラは尻目にし、
「よし、今日も家事を始めるわい。」
と元気に呟きながら、一日の作業に取り掛かった。此所の家事全般は、全て手掛けているのだった。
まず朝食の支度である。彼女は棚や床下の氷室を覗き見て、
「う~ん、こんなもんか。…残り少ないの。…」
と中から、丸パン、小麦粉、じゃがいも、チーズ、カブ、油、塩を取り出すと、調理に掛かりだした。
まず、じゃがいもとカブをくし切りにし終えたら、釜戸に火をくべて、鍋で沸かした湯に塩と一緒に投入し、出汁が出るまで茹でていく。さらには、パンの表面に乗せたチーズを釜戸の火で炙って、やや溶かしたら終了である。
出来たのは、チーズトーストとじゃがいもとカブのスープだ。
そのままサーラは料理を盆に乗せて居間へ運び、鼻歌交じりに食卓のテーブル一人前の料理を並べると、
「お父ちゃん!!…朝だから起きなさい!!」
と耳元で大声をあげた。
するとロンドは、ひしゃげた声を漏らしながら椅子から転げ落ちる。叩き起こされて、ようやく目が覚めたようで、慌てて起き上がっていた。
そうして、親子二人は挨拶を交わす。
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