第二章 愛する人が二人いる

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「う、あぁ。ダメなの、にぃ……」  半ば涙声の幸樹に、玄馬は優しく囁いた。 「だから。明日はちゃんと起きるから、な?」 「んぅ。は、はい」 「許してくれるか?」 「……どうぞ」  ああ、と歓喜の声を熱い溜息とともに吐き、玄馬は幸樹を向かい合わせに抱いた。  その頬に大きな手のひらを当て、待ちに待ったキスをした。  唇で食み、舌を絡め、唾液を吸って熱いキスをした。  そうしながら、手先は器用に幸樹のパジャマを全て脱がせてゆく。  キスが終わったころに、パジャマを脱がせ終えたのか。  パジャマを脱がせ終えたから、キスを終えたのか。  解らないままに、幸樹はすっかり快楽にのぼせていた。 「玄馬さん」 「解ってるつもりだよ」  今度は指でなく、本当の唇で、玄馬は幸樹の乳首を吸った。 「んぁ! あぁあ!」  必死でシーツを掴み、悦楽に耐える幸樹が健気だ。  二枚のリップで圧をかけ、舌先でつつき、さらには舐める。  そんな責めに、幸樹はのけぞった。 「あぁ、あ! ダメッ、出ちゃうぅ!」  勢いよく、幸樹は精を飛ばした。
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