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「幸樹、君はまたそうやって動き回って!」
花束を渡すことも忘れ、玄馬は慌てて彼の体を支えた。
「大丈夫です、玄馬さん」
「毎度私を脅かすんだから、君は」
マスターも、何とか言ってくださいよ。
玄馬はカウンター向こうの遠山を、頼った。
だが、遠山は笑っている。
「病院の先生は、無理のない程度なら動いた方がいい、っておっしゃってるから」
「そんな病院は、転院させましょう!」
「九丈さんも、幸樹くんのことになると、まるで弱いねぇ」
幸樹の代わりにバラを受け取り、遠山はニヤニヤと笑う。
「玄馬さん、お花ありがとうございます」
「花なんて。君が喜んでくれるなら、花屋じゅうの花を買い占めてくるよ」
幸樹になだめられ、玄馬はようやく席に掛けた。
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