18.まな板の上の…?

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 気づいたら端正な貴堂の顔が紬希に近づいていた。  紬希は思わず目を閉じてしまう。  唇を柔らかく掠める息を感じたと思ったら、熱のある感触が紬希の唇を覆った。  甘く舌でノックされると、紬希は緩く唇を開いて貴堂を受け入れてしまうのだ。口の中をかきまわされても、もう戸惑うことはない。  何度となく触れ合う粘膜にちゅ……と音をたてて、貴堂の唇が離れた時、紬希はつい目を開けてしまった。  どうして?という顔になっていたかもしれない。  熱を孕んでいながら、とても優しい顔で貴堂は紬希を見つめていた。 「紬希、これ以上先に進んだら、もう僕は止められないと思うんだ。それでもいいかな」  穏やかに優しく問う声は紬希の意向を尊重してくれていた。  貴堂とならば、なにがあっても後悔はしない。 「あ……の、誠一郎さん、止めないで?」 「こういう時に名前を呼ぶとか……っ、君は」  紬希の首元に貴堂の顔が埋められる。  さらりとした髪が耳元に当たって少しだけくすぐったい。 「紬希、大事にする。君の綺麗さも、強さも優しさも全部全部好きだ。今日、信じてましたと言ってくれて、本当にとても嬉しかったんだ」 「誠一郎さんはとても素敵な方です。その誠一郎さんを信じることが出来たのは、根気強くいろいろ教えてくださったからです。私も大好きです」
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