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プツっと胸元が楽になった感じがして紬希の胸元からブラジャーを貴堂がそっと取り去る。
貴堂の指が紬希の胸にそっと触れた。
「大丈夫? 痛くはない?」
紬希はこくりと頷く。
「良かった……」
耳元に吐息を含んだ声が聞こえて、そのまま耳朶を舐められる。耳元でくちゅっと淫猥な音がして、紬希は腰の辺りにぞくっと、くすぐったいような感覚を覚える。
──え?な……に?
ぞくんとしたその感覚は、下腹部にも響くような足もとが心もとないような、そんな感じだ。
紬希の胸に触れていた手はその肌の感触を確かめるかのように揉まれたり撫でられたりしている。
貴堂の唇がすうっと首元に降りてくる。
首元にも柔らかくキスされて、紬希の鎖骨に沿って舌が這わされる。
紬希は右手で自分の口元を覆って、左手で貴堂の肩にきゅうっと捕まった。
そうしていないとなんだか声が出てしまいそうだから。
そんな紬希の様子には気づいていただろうけれど、貴堂は、何かを無理強いするようなことはなかった。
胸に触れていた貴堂の指がその先端に優しく触れる。紬希はぴくん、と身体を揺らす。つん、とその先が固くなったのが分かった。
いつの間にか貴堂の整った顔が胸元にまで降りてきていて、その目線が合った。
「寒い?」
そう聞かれたけれど寒いなんて訳がない。さっきから感じたことのない身体の熱を逃がしようがなくて焦れているのに。
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