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「んっ……あ」
「うん。もっと、声聞かせて」
「あ……でもっ……」
思わず紬希は繋いでくれているその手をぎゅっと握ってしまった。貴堂が握り返してくれる。
繋いでいる手は優しいのに、紬希の身体に触れる手は容赦ない。
触れられると身体がぴくっと反応してしまうその芽を時折つつかれたり、緩く撫でられたりして、そうしているうちにどんどん感じたことのない感覚に包まれて、紬希は当惑した。
「あ、あの……まだ……?」
「まだまだだね」
そう言って、紬希の下半身が蕩けたところで、貴堂は紬希の中にぐっと指を一本潜らせてくる。
「……あっ……あ、やあっ」
「ん? 嫌?」
貴堂が思わず目を閉じた紬希の目元に軽いキスを落とす。紬希は慌てて首を横に振った。
「やめ……ないで?」
「うん」
指がゆっくりと紬希の狭い隘路を押し分けて奥まで入ってくるのが分かる。
充分に濡れているそこは貴堂がゆっくりと指を動かしたら、くちゅっ……と淫猥な水音を立てた。
「や……はずか……しいっ」
「どうして? すごく濡れてて、感じてくれて、僕は嬉しいけど? それにさっきはやめないでって言っていたよね」
音が恥ずかしいから音は立てないでほしいけど、紬希は行為自体をやめたいかと言われたらそういう訳でもない。
中で貴堂がゆるゆると指を動かすと何度もくちゅくちゅと音を立てる。
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