19.3割から5割増しらしい

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19.3割から5割増しらしい

 二人の身体がピッタリと重なり合っている証拠に、紬希の太腿に貴堂の腰骨がごつっと当たっているのを感じる。 「息を吐いて……」  思わず止めてしまっていた呼吸をそっと紬希は続ける。 「……っはぁ……」  それが思ったよりも艶めいていて、自分でも驚いてしまった。 「可愛くて、色っぽくて、綺麗だ」  そう言って貴堂は紬希の頬を撫でた。貴堂だって、今まで紬希が見たことないような顔をしている。  いつも紬希を愛おしげに見てくれるのだけれど、今はそれに滴るような男性らしい色香が加わっていて、くらくらするのだ。  酔わされているかのようだ。 「紬希……」  その綺麗な形の唇から名前を呼ばれて、思わず身体に力が入ってしまったようだ、きゅうっと眉根を寄せたような貴堂の姿は今まで見たことがない。 「動く……よ?」  少しだけかすれたようなそのセクシーな声に紬希は頷くことしかできなかった。  貴堂が緩く動くと紬希の下肢からは隠微な水音が聞こえる。静かな寝室にシーツの擦れ合う音と、粘膜が擦れ合う音が響いて、それに時折紬希の呼吸の音と貴堂の呼吸の音が混じる。  ゆっくりとした動きの中に、貴堂が中にいるのを紬希は感じる。 「痛く、ない?」 「あの……いっぱい、な感じがします……でも、繋がってて、幸せです」 「僕もすごく……いい」
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