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そしてその異性関係たるや、華やかと称する以外はないと言われていた。
美人・難攻不落と言われていたCAの何人もと半年ほど交際しては、また別の……と『おモテになるんでしょう?』という人生を送っている。
しかし実のところはここについては、貴堂本人がその噂を知ったら激しく異論を唱えたいところではあった。
──大体、毎回振られているんだが!
デートに行っても、飛行機の話ばかりでつまらない、と言われてしまう。
女性にしてみれば、せっかくデートしているのだから、他に話もあるだろうと思うし、だいたいモテる女性ならば、男性は自分を楽しませて然るものという考えもある。
けれど貴堂にはそんなことは出来ない。
空を飛ぶことが好きなのだ。
それで、大概の場合は『つまらない人なのね』と言われて振られる。
──つまらなくて、悪かったな。
彼の生きがいはそこにはないのだから、仕方ない。
イケメン、エリート、コミュニケーション能力も高いのに、ここ数年定まった女性がいないというのはそういうところにあった。
空が好きで飛行機が好きで、パイロットになった。
そうしたら才能があって、順調に昇進した。
それが貴堂の中の結果なのだから。
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