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「ん? なに?」
「そういえば、お船はキャプテンなんですね」
「船が先だよ。飛行機はあと。飛行機は船のルールがたくさん適用されているんだ」
「そうなんですね」
そんな会話を交わしながら、潜水艦の中に入る。
潜水艦の中は真ん中に椅子があって外壁に丸い窓が付いていた。
そこから海の中が覗けるようになっているのだ。
一番奥がコックピットだった。
ボタンやスイッチのたくさん配置されたコックピットを目にした瞬間、貴堂が瞳をキラキラさせている姿を紬希は見たのだ。
胸がきゅんとなるくらいに可愛らしく見える。いつもは大人なのに子供のようにはしゃいでいるから。
「コックピットすごいな……」
「飛行機のものと似ていますか?」
「うん。とても似ている。似ていて異なっている。とても興味深いよ」
キャプテンはとても話好きな人のようで、潜水を安定させたらいろんな説明をしてくれた。
見えている綺麗な色の魚や魚礁について、また海を守る話など、とても興味深いものだったが貴堂には特に潜水艦の操縦についての話が楽しかったらしい。
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