5.前進

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「そろそろ帰ります」 「そう? 泊まっていってもいいけど?」 「えぇ?!」 「俺は構わないよ?」  嘘だ。言葉とはウラハラに、冗談だよと彼の表情が物語っている。 「そ、そんなこと、サラっと言わないでください!」 「はは。舞花ちゃんは正直で純粋だもんね」  和久井さんには敵わない。私をからかってみたり、サラリとかわしてみたり。  私は振り回されてばかりだ。  いったいどうしたらこの人を捕らえることができるのだろう? 「あの! 今度の日曜日、ラーメン食べに行きませんか?」 「もしかして舞花ちゃんのイチオシの店? 行く!」 「ほんとに……ほんとに行きますか?」 「うん。行こうよ」
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