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「だいたい、和久井さんばっかりずるいですよ!」
「なにが?」
「私はね、いっぱいいっぱいなんです! なのに和久井さんはお持ち帰りしても平然とした態度で、いつもどおり余裕じゃないですか!」
酔っている勢いに任せて、私は恥ずかしさを隠すように文句を並べ立てた。
「それは、表面上は余裕ぶって見せてるだけ。俺は男だし、舞花ちゃんより年上だから、あわててたらカッコ悪いと思って」
「信じられません」
「本当だよ。俺の部屋に女の子が来たのなんて何年ぶりだか思い出せないくらいだし。まぁ……今日は俺が連れ込んだのか」
“連れ込んだ”というキーワードを出されたことで、私の心臓が急に飛び跳ねた。
和久井さんは簡単には女性を部屋に入れないのだ。
それなのに私はすんなりと招き入れられたのだから、他の人とは違って特別扱いかもと自惚れたくなってくる。
「この部屋に女性は……普段来ないんですか?」
「うん。全然」
「じゃあ、あの……雑貨屋さんの人も?」
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