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「そろそろ帰ります」
「そう? 泊まっていってもいいけど?」
「えぇ?!」
「俺は構わないよ?」
嘘だ。言葉とはウラハラに、冗談だよと彼の表情が物語っている。
「そ、そんなこと、サラっと言わないでください!」
「はは。舞花ちゃんは正直で純粋だもんね」
和久井さんには敵わない。私をからかってみたり、サラリとかわしてみたり。
私は振り回されてばかりだ。
いったいどうしたらこの人を捕らえることができるのだろう?
「あの! 今度の日曜日、ラーメン食べに行きませんか?」
「もしかして舞花ちゃんのイチオシの店? 行く!」
「ほんとに……ほんとに行きますか?」
「うん。行こうよ」
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