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『 』が一人ぼっち。
あれから少しだけ時間が過ぎた。
君はまだ、帰らない。
君はずっと遠くまで旅してるんだ、たぶん。
なにせ世界をひとまわりなんだから、大変なものだろう。
君が帰ってきたら、僕は世界のことをたくさん聞きたいな。
君が見てきた色んな世界を、僕に教えてくれる。そんな楽しいこと、他にはきっとないと思う。
でも、本当は少しだけ寂しかったんだ。
君がいなくなったことで、僕の世界は色を失った。
こちらからは、世界を見ることはできない。君がいなくては。
早く君が帰ってくればいいのに。僕には待つことしかできない。
君が世界を行くには、僕を背負って行くのはあまりにも重たいだろう。
だから僕は、ここで君を待ち続ける。
いつか帰って来たとき、旅の話を聞くことを楽しみに。
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