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『 』が一人ぼっち。
あれから随分と時間が過ぎた。
君はもうすぐ帰って来るだろうか。
僕は少しだけ不安になった。
もしかしたら君はもう帰ってこないのではないか。
世界にはいろんなモノやコトが溢れていると聞く。
僕と星を捕まえるより大事なものが、そこにあったのかもしれない。
そう考えると、途端に君が薄情者に思えて来たんだ。
そんなことはない!って思いながらも、心のどこかでは、君のことをなんてやつだ!って思ってしまっているんだ。
もしかしたら、薄情者は僕のほうかもしれない。
出発の日、君は僕に一緒に来て欲しいと思っていたかもしれない。君だって心細かったことだろう。
だけど僕は、君の重荷になることを恐れて、一人ここに残ることにしたんだ。
だから、僕は君が帰って来たときに謝りたい。ごめんね、って。
そうして、星を捕まえに行く道中で、僕は君が見た世界の話を聞きながら歩くんだ。
でも、それもこれも君が帰ってこなければどうしようもない。
それまで僕は、ずっと一人ぼっちだ。
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