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リーベスの故郷、獣人の国は、今はほとんどこの国と貿易はしていない。だからそこに目をつけ、彼らでも扱えるような魔道具を作り、売る。
獣人であるリーベスと、魔力のないウーヴァ。彼らが易々と便利な道具を扱う姿は、獣人の国でも興味を引き、少しずつ販路を拡大していった。
そして今回、かの国直々の通商許可と、リーベスの爵位を賜ることになったのだ。
一代限りの男爵ではあるが、貴族の仲間入りをしたことは間違いない。そしてそれは、私たちの最後のハードルを乗り越えたことになるのだ。
「メーラ。愛している。ずっと一緒にいてくれ」
「ふふ、もちろんよ」
リーベスはまた、私の首元に顔を埋める。そのまますりすりと甘えるように頭を擦り付けるものだから、可愛らしくて笑ってしまう。
大きなわんこが、甘えているようで。
彼のふわふわの黒髪を撫でると、少しだけぴくりと反応して、少しだけ動きが止まる。
「リーベス?」と名前を呼びかけると、温かい吐息を感じた後、首元にちくりとした痛みを感じた。
「えっ、あの、リーベス?」
「メーラ……」
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