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「モモコが教えてくれる知識で、私が魔道具を作って、それをウーヴァが売るの。そうしてみんなでお金を稼いで、誰からも文句を言われないような体制をつくりたいの。……お願いします」
全員を見渡して、私は頭を下げる。
机上の空論かも知れないけれど、それぞれの得意分野を活かした上で、皆で盛り立てて行けたらそれは素晴らしいことだと思える。
メローネ伯母さまには、この後協力を仰ぎに行く予定だ。これまで好き勝手に振る舞ってきた方ではあるけれど、あの方はこの家で唯一、社交が得意なお方だ。
これまでも、勝手ではあるがベラルディ家の伯爵夫人として振る舞ってきた実績もあり、お茶会への参加も難なくこなす。
そんな彼女には、是非この新しい事業の宣伝をお願いしたいのだ。夫人たちのネットワークは強大で、その中で他の貴族たちの興味を引ければ、きっと追い風になる。
これまでに作ったハンドミキサーやアイスクリームメーカーなどを、売り込む一大市場となる。
(あの意地っ張りな伯母さまの事だから、きっと、すぐには納得しないでしょうけれど)
それでも。このままこの伯爵家を追い出されて路頭に迷うくらいならば、と、こちらの思惑に乗ってくれる可能性はかなり高い。
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