最終話 おおきな家族

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 そこに刻まれているのは、獣人の国との正式な通商許可と、それから、リーベスの身分を認める文言。  ――みんなで協力することに決めてから、私たちはそれぞれの役割に邁進した。  モモコはゼンセの色々な便利な道具や、流行りの食べ物をイラスト付きで私に教えてくれた。  それを元に作った魔道具を、商会を新たに立ち上げたウーヴァが流通させる。  彼が手始めに手がけたパフェ専門のカフェテリアは貴族の間でも平民の間でも人気が出て、ベラルディ伯爵家の名はあっという間に世間に広まることとなった。  これまで細々と、日用品を開発していた頃と比べて、それはもう爆発的に。  私たちに協力することに最初は難色を示していたメローネ伯母さまも、お茶会などでカフェの新作メニューや新しい魔道具について尋ねられることが増えた事が嬉しかったらしく、最近では率先して手伝ってくれている。  少しずつ、彼女とも歩み寄れている。私も、モモコも。  そうして資金を得た私たちは、最終目標へ向かって動き出した。
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