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「うわぁぁん、お義姉さまぁぁぁ! こんなやらかしちゃってるわたしの心配までしてくれるなんて天使過ぎますぅぅ!!」
「ちょ、ペ、ペスカ?」
「その日は季節限定の安納芋のパフェが食べたくて急いでたんです、そしたら猛スピードのトラックが交差点に突っ込んできてぇ、そのあと目覚めたら、ここに居たんですよぉぉ!! パフェ食べながら読もうと思って買ったラノベも手元にないし、この子の記憶を辿ったら、悪い思い出ばっかでぇえっ。ずっと発売日を待ってたのに、サインと限定SSついてたのにっ、どうせなら、読んでからが良かったあぁー!!!!!」
思いの丈を吐き出しながら泣き叫ぶペスカらしき少女の言葉は、訳の分からない話ばかりだ。
だけどこうしてぎゅうと抱きつかれていると、何故だか頼りにされている気がして、心がじんわりと温かくなってくる。
「ぱふぇ、とか、らのべ、とかはよく分からないけれど……貴女も大変だったのね?」
私の胸元でえぐえぐと泣いているペスカっぽい少女の頭を撫でながらそう言うと、彼女は瞳にいっぱい涙を溜めたまま私を見上げた。
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