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のそりと立ち上がって、やけにメルヘンな部屋を見渡し、姿見を見つけた瞬間。
「ひえっ! だ、誰!?」
そこに映る知らない少女の姿に、大きな声をあげてしまった。
鏡の中に映る美少女に驚いた後、再び激しい頭痛に襲われたわたしは、よろよろと床を這うように進み、またベッドに戻る。
以前は考えられないような、お姫様のようなベッド。
部屋も広い。わたしのお城だったワンルームとは全然違う。
「……異世界転生って本当にあるんだ……」
わたしは涙目になりながら枕に突っ伏す。
頭痛が治まると、色々な情報が一気に脳内に溢れた。
まるで映画を早回しで観たような感覚だ。
異世界転生。
ラノベの世界観は大好きで、特に主人公が転生者なお話は何冊も購入していた。
――でもその場合、悪役令嬢になってシナリオ改変とか、パーティーから追放されたけど後々チートが発覚して無双するとか、最終的に幸せになっていたと思う。
「ううっ……ペスカ……何やっちゃってくれてんの……」
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