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「いつもどおりに呼んで欲しいわ」
結婚の義務も無くなり、暫くは研究に集中出来る。
いずれは私も世継ぎを設けなければならないのだろうけれど、養子をもらうという手もあるし、そのあたりは何とかなるだろう。
「流石に徹夜明けは眠そうですね。よ……っと」
「わっ」
「それに、こんな分厚い眼鏡をしたまま寝てしまうのは、とても危険です」
「あら……すっかり忘れていたわ」
あっという間にリーベスに抱え上げられた私は、柔らかなベッドの上に下ろされた。
研究中からずっとつけていた分厚い眼鏡――目を保護するためのゴーグルを取ってもらった私は、色々と限界で、すぐに眠りについてしまった。
寝る寸前、こんなゴーグル姿でペスカたちと対峙していたのかと思うと、可笑しくて少し笑ってしまった。
「……俺がずっとお側にいます」
そう聞こえたのは、夢だったのだろうか。
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