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「何。黒板君転職するの?うちに来なよ、特殊メイクで誤魔化せば何とかなるって」
「白板……キャリアウーマンはいいが、ノルマ達成のグラフばかり書くブラック企業に尽くさない方が良いと思うぞ。なあ伝言板、どこかの駅で勤め先ないかな。ほら、俺大きいから、一杯伝言書けると思うんだ」
伝言板はエア腕組みをして渋い顔をした。
「今は携帯電話があるだろう?おかげで待ち合わせに僕ら伝言板を使う人が減っているんだ」
「そうか……」
「書き違えで生じたトラブルに巻き込まれて蹴られたり叩かれたりする時もあるし、接客業はつらいぞ?仕事に夢持ったロマンチストなお前には向かないと思う」
いざ黒板を辞めると心に誓うと、直面するのは社会の厳しさだ。好物のねぎまにかぶりつきながら、黒板は身の振り方を改めて考え直した。
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