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雨は振り続けているのに、太陽の光が差す。奇妙なアンバランスさを保ちながら雲の切れ間から青空が覗いた。
子供が無邪気に雨と戯れるように、笑いながら、舞い続けている。晴れ間と晴れ間を渡る度、その晴れ間が広がって、つながってゆく。気づけば小雨に変わっていた。
「AmgieのCEO。ジェイル・べイリーには3人子供がいマース。そのうちの一人は、養子デース。中国出身の娘……おそらくいまー、ちょうどあなたぐらいの年齢でーす」
一瞬で身の毛がよだつ感覚に襲われる。
この男は全てお見通しだったのだ!
この本、『星の王子様』中国語版を見て、京子の正体を確信したのだ。
大きく唾を飲み込んで、平静を精一杯装いなから叫ぶ。
「もし、それが私なのだとしたら!どうなさるおつもりなのでしょう!」
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