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「ーーー考え事ですか、お嬢さん?」
そんなわざとらしい口調でそう口にした後ゆるりと唇の端を上げたのを、視認した時だ。
ぐちゅぐちゅと音を立てながら小刻みに揺れた動きをしていたところから、いきなりずんっと突き破るような動きをされた。
「っ、ひぅっ、」
そのせいなのか。
一瞬、目の前がちかちかと弾けて。
息が、止まった。
けれど、その水音も動くその熱も止まることはなくて。
私の脚を持ち上げているその腕を、力は入らないながらも必死に押し返そうとする。
「ま、っ、んっ、ひぁっ、ああん、」
でも、かえってそれは逆効果でしかなかったようだ。
煩わしそうに、大人しくしていろとばかりに深い所まで突き上げられた。
「今更なしは、なし、ですよ?」
「ぁ、ああっ、ま、おねが、っ、!」
悲鳴に近い嬌声で叫んでいた。
その甲斐あってなのかは分からないけれど、中の動きも、入り口の辺りを弄っていた指もぴたりと止まった。
「っ、はぁ、っ、は、っ、」
胸を上下させて、ぜえぜえと呼吸を繰り返していた。
ぽろぽろと生理的に浮かんでいた涙は勝手に溢れていっている。
気付けば押し返そうとしていた腕に、縋るようにいつの間にか自分の腕を絡めていた。
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