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「なんて、こったい」
小笠原銀二は、テレビに釘付けだった。
今作の映画の中では、群を抜いて良かった。
最期まで、自分の生を全うしたガブリエル。
スタイル抜群のジェニファー。
特にジェニファーの脚。
脚フェチの銀二にとっては、かなりのインパクトだった。
はちきれんばかりの黒タイツ。
メリハリの効いたふくらはぎ。
主人公は、ジェニファーの脚だったのではないかと、銀二は錯覚していた。
そして極めつけは、
「ガブリエルの白T、いいな」
思わず独り言を呟いた。
次の瞬間、銀二は立ち上がった。
忘れ物を取りに行くかのように、一目散にクローゼットへと向かった。
慌ただしくタンスを漁り始めた。
漁られたあとは、空き巣に入られたかのような光景だった。
服が乱雑に散らばり、床にも溢れていた。
目的のものを、がしっと力強く掴み取った。
「ふふっ」
白いTシャツだった。
しかもSサイズ。
近くの姿見に写しながら、自分の身体に当ててみた。
どう見てもぱつぱつだった。
構うことなく、銀二は着ていたTシャツを脱ぎ捨て、白Tシャツを手に取った。
銀二の予想を遥かに超えて、ぱつぱつだった。
脇の部分が、締め付けられるようだった。
ぶちぶち、と何か音がしたが、なんとか着衣に成功した。
近くの姿見で己の姿を、白く纏った姿を確認した。
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