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初恋ひとひら、君ひとひら。
恋バナって言った時、きっとみんなが望むのはそういうものじゃないと思うんだけどさ。
他にネタもないし、話しておくかな。今でこそソフトボール一筋の私だけど、これでもちっちゃな頃は恋多き乙女っていうの?まあそういうやつだったわけですよ。……おいそこの後輩ども、信じてないな?部長がまたよくわかんない妄想してるーって顔に書いてあるぞオイ。
いやほんとだって。これでも保育園の頃なんか可憐な乙女でストラーイク!
「いたっ!ナツメ部長、何すんですかああ!」
うるっさいわい、笑ってるのバレてるぞコラ。肩震えてるのばっちり見えてたからな?枕ぶつけられたくらいで済んで有りがたいと思えやコラ。
「エースピッチャーのまくら投げ強烈すぎるんですけどっていえなんでもありません」
よろしい、わかったならそのまま大人しく聴いてるがいい。
初恋の相手ってさ、小学生だったら隣の席に座った男の子だったとかがテンプレじゃん?保育園だったら、保育士の先生とか。そういうちょっと立派に見える、年上の男の人に憧れたりもするよね。
実際、私も生まれて初めて好きになった相手は、年上の男の人だった。
誤魔化しても仕方ないからはっきり言う。
私の初恋の相手は……十歳年上の、兄貴だったんだ。
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