友達の面影

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「そうそう、僕が今日ここに帰ってきたのは、子どもの頃に仲が良かった()がいたんだけど、遠くに行ってしまって……。その()が今日帰ってくるからここで会おうと約束してるんだ」 とトンボが話した。 「おや!オイラもだよ!約束していてここに来たんだ」 とカエルが驚いた表情で言った。 「じゃあ、お互いに共通の友達がいるってことだね」 「そういうことだね!」 2匹は、約束をしている友達が来るまで泳いで飛んで一緒に遊びながら待った。 「カエルくん、本当に泳ぎが上手いなぁ。それにジャンプ力もあって凄いよ!僕も昔は水の中で泳いでたんだけどね……」 トンボが足を水につけて切なげに言った。 「え?そうだったのかい?泳げるようには全く見えないけど……」 「でしょ?でも泳いでたんだよ。カエル君は昔から泳ぎも早くてジャンプもできて、スポーツマンだったのかな?」 「いや……、泳ぎはまぁまぁできたけどジャンプはできなかったよ。それに泳ぎも今みたいに手足を使って泳いでた訳じゃなくて……」 と、興味があると言うような大きな目でカエルを見た。
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