友達の面影

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2匹の前に水から顔を出した大きな魚が息を切らしながら尋ねてきた。 「すみません!ここで友達と会う約束をしているの。けど、私、少し遅くなっちゃって……」 2匹は目を丸くした。 「友達と……約束?」 とヤーゴンが控えめに聞いた。 「はい、オタマジャクシのジャック君とヤゴのヤーゴン君っていうんですが」 「あー、えーっと…、もしかしてヤマメのマーヤちゃん?」 と、ジャックが恐る恐る言った。 「え?そうだけど……?」 マーヤが首を傾げた。 「えっと……、僕はヤーゴンだよ。今はヤゴじゃなくてトンボのヤーゴン」 「そして、オイラがオタマジャクシのジャック。今はカエルのジャックだよ」 「えーーーー!?うそっ!ビックリ〜!ヤーゴンもジャックも昔と全然違うじゃない!」 マーヤはバシャンバシャンと大きく跳ねた。 「そういうマーヤちゃんも凄く変わったね、たくましくなったというか…アハハ…」 水しぶきを浴びながらジャックが言った。 「そうかしら?あ、そうそう、今はヤマメのマーヤじゃなてサクラマスのマーヤよ!これからもよろしくね!」 「サクラマスね。うん、マーヤちゃんこれからもよろしく」 水がかからないように岩から飛んでいたヤーゴンが言った。
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