リデルの憂鬱

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「なあ、クレイ。オレ、何かみんなに嫌われるようなこと、したかなぁ?」  アリスリーゼに来て、はや半年が経ち、オレは新たに建てられた皇女宮にレリオネラ太皇太后と一緒に住んでいた。一緒とはいえ、区画が厳密に分けられており、しかも会うには手続きが必要で、おいそれと会うことはできないのだけれど。  とにかく最近のオレはある悩みを抱え、鬱々としていたのだ。なので、たまたま皇女オレの私室に来ていたクレイにオレは泣き言をぶつけていた。 「何だ、藪から棒に。久しぶりに会った俺が知るわけないだろう」 「いや、クレイのことだから、オレの周りの情報に熟知してると思ってさ」  絶対、ソフィアやシンシアから情報は筒抜けに決まってる。 「まあ、否定はしない」  やっぱり……まったく、オレのプライバシーはいったいにどこに? 「そこは否定しろよ」 「嘘は言えないからな」  悪びれた様子も見せずクレイは笑って答える。  その開き直りに多少カチンと来て、オレは嫌味っぽく質問する。 「じゃあ、嘘は言わないクレイさんなら、オレの疑問に答えられるだろ?」  オレが苛ついているのを悟ったクレイは口調を優しくして尋ねる。 「何か気になることがあったのか? 相談にのるぞ」  知らない人が見たら皇女に対し不敬罪もいいとこの会話だけど、オレが望んでそうしてもらっているので問題はない。 「実はさ……」  オレは最近オレの身の回りで起きていることについてクレイの意見を求めた。
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