side   愛 生

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「佐竹さんって有名社内恋愛  だったよね?結婚してからも  帰りは二人一緒にデートして」 「甘いわ、鈴子。そんな男も  妻には飽きるし、そこへ  美人な若手がきてごらん?  どうなる?愛生もちゃんと  カレに聞いた?なんで悠未と  蕎麦屋にいたのかって」 「咲希こそなんでわざわざ  愛生が心配するようなことを  言ったりするの?駄目じゃない」 瑠李に窘められて 「だってぇ、あんなコに  社内を乱されるなんてぇ」 咲希は口を尖らせた。 「いいのよ、瑠李。私だって  知らないのはヤダし・・・」 「で、なんで蕎麦屋行ってたん?」 鈴子に聞かれても 朔也から何も聞いていない愛生には 答えたようもない。 「愛生ちゃんの遠慮ガチは  結婚生活ではマイナスやで!  疑わしいはバッサリ  ちゃーんと問いたださんと」 「…うん…解っては  いるんだけど…」 出来るならとうにしているが 愛生は鈴子ほど勇気はない。 俯いて黙り込むと 「仕方ないわね…」 瑠李は溜息混じりに 「飯島くんには…私が…  私から聞いてみようか?」 提案すると すがる思いの愛生は頷いた。
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