side   愛 生

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週末、浜名湖まで 愛生は朔也とドライブへ。 (スッキリ青空) 朔也の助手席で音楽を選ぶ愛生。 浜名湖は朔也の実家の近くなので 「式の打ち合わせもしたいしね」 朔也の提案で湖のホテルに一泊。 「奮発していい部屋にした」 窓一杯の澄んだ湖面に 「素敵…ありがとう」 感激する愛生を朔也は抱きしめて 「ごめん…余計な心配させて。  及川にも叱られたよ。  蕎麦食ってたらいきなり  隣に座ったもんだから」 瑠李も笑いながら言ってた “蕎麦屋事件”の真相。 偶然の相席に、ウジウジと 悩んでいた自分が、愛生は 情けなくもなり、朔也に 申し訳ない気もした。 「及川に髙い酒を奢らされたよ」 朔也は笑いながらも 愛生をベッドへ誘う…。 「こんなに可愛い婚約者を  裏切るわけないだろ?」 「でも、私、美人じゃないし…」 「馬鹿だな…女性の魅力は…」 朔也が愛生を貪り始めると 愛生は、全身で歓喜を示す…。 二人、月日を重ねて 覚えてきたため息。 「愛生は自分を知らな過ぎるよ。  こんなに…いいんだよ…  君は…あ・・・」 それは単なる褒め言葉だけでは 無さそうだと、 それは、愛生も自覚していた。 単なる付き合いから “こういう仲"になった途端から 朔也は欠かさず週末は 愛生との時間に…このひとときに 予定を合わせていたし、 何より、眠りについてからすらも 愛生から肌を離すことはなかったから。    
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