side   愛 生

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悠未と二人で過ごすことに 馴れてきたあたりで、 瑠李達とよく集まるビストロへ 悠未を連れていってみようと 愛生は思い立った。 あらかじめ瑠李・咲希・鈴子には  「一度一緒に食事、お願い。   そんなに悪いコじゃないの」 とは頼んでおいたものの 三人がどう反応するか… 愛生には少し怯えもあったが 「今日はありがとうございます。  私…会社でもそうですが、  学校でも女子に誘って貰えること、  少なくてぇ嬉しいです」 いつも通り可愛い悠未は ペコリと頭を下げた。 水色のサマーニットに 紺のスカートの何気なさが かえって彼女の若さを引き立たせる。 それがハッキリクッキリと してしまうから、咲希は苦い顔。 鈴子は、 「男子の噂通り、綺麗な子やなあ」 関西訛りで微笑みかけるが 笑顔は油断してない。 「ともかく、愛生の大切な後輩  なんだから、まずはみんなで  仲良くカンパイしましょう」 ソツがないのは、企画部のホープ瑠李。 「ホントに嬉しいなあ…  女子会なんて嬉しい…」 カクテルを握る悠未の少し幼い横顔。 (ずっと孤独だったのかな) 愛生を切なくさせた。
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