side   愛 生

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悠未との関わり合いは 愛生に良い変化もくれた。 「どうしたの?口紅の色、  いつもの薄いピンクは  やめたのかい?」 朔也がすぐに気づいてくれた土曜。 新居見学を兼ねて近郊へ。 「ヘン?あ、可笑しいなら」 「いや、ちっともヘンじゃないよ。  むしろ、いい赤だよ。それに」 電車の長椅子の隣に座る朔也は 耳もとへ口を寄せて 「シースルーシャツに  赤のノースリーブワンピ、  そそられるよ、今夜が楽しみだ」 …囁いた。 今日のメイクと洋服は 悠未からのアドバイス。  「いつも地味は駄目ですよ。   休みの日くらいは派手に!   せっかくのプロポーション、   彼のために活かした装いを   しなくちゃ!」 二人で食事などをするようになり 朔也との関係を、悠未にも話してから 悠未は朔也に接近しなくなっていたし、  「結婚してからが勝負ですよ。   飽きられないようにしないと」 そんなことまで愛生に。    (九月には企画部に配置換え…  少し寂しいかも…) そんな感情すら芽生えるほど 悠未は愛生を慕ってくれていた。    
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