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「もう八月からここで?」
瑠李が尋ねると
「うん。愛生は九月から
近所の会計事務所でバイト
なんだけど、少しは
休ませてやりたいからさ」
優しい朔也の返事に
咲希と鈴子が口笛で囃し立てる。
「そうだ…結婚式、場所は決めた?
披露宴は銀座のフレンチって
愛生に聞いてるけど」
「式は浜松で身内だけ。ほら、
内藤が勤めてる結婚式場。
お前達女子に人気のライトアップで
有名なあのチャペルさ」
「?!え……あそこ…なの…」
瑠李が見せた一瞬の戸惑い…。
朔也は、気にもせず
「ビールをあけようぜ」
ダイニングテーブルに
缶ビールを並べた。
それから軽い宴会のように
なっていたけれど
なんだか瑠李はボンヤリ…。
「瑠李先輩、どうかしましたか?」
悠未がかける言葉に
愛生も瑠李を見たけれど
「あ、やだ、酔いが早くも
回ったみたい、フフフ」
瑠李は笑って
グラスをグイと煽った。
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