side   瑠 李

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side   瑠 李

愛生と朔也の新居の帰り… 沿線が同じ悠未と 瑠李は電車に揺られてた。 悠未は 「飲みすぎたでしょ?先輩。  私に凭れてくださいね」 そう言ったきり… 話かけもせずに ・・・寝たふり・・・。 (流石に“恋の達人”ね、悠未。  きっと私の気持ちに気づいてる) 巧く隠してきた振りの自分を 今夜こそ…ほんとに馬鹿だと 瑠李は薄ら笑いを浮かべていた。 高校時代から大好きだった朔也。  「付き合えば?   お似合いじゃない」 女友達からはそんな冷やかしも 受けていたくらい、 仲間内では、瑠李の隣に 朔也か当たり前だった。 “いい友達”から“素敵な恋人” 毎日夢見ていた瑠李。 偶然を装い、大学も会社も 朔也と揃いにして “いつか朔也と結婚” 願っていたラブストーリー。 でも…そんな甘いストーリーは 朔也にはなかなか通じなくて… 瑠李なりに必死に、懸命に、 チャンスを見つけようと 努力していた矢先  「同じ経理の愛生ちゃんと   付き合うことにしたんだ」 あっさり…このひとことを 言われて the end。   
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