side   愛 生

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問題の“あのこ”悠未の 仕事に関する成長は しばらくしても…なかった。 経理に関する知識が無さ過ぎて なんの役にも立たない。 数字に疎いどころでなかった。 ただ、  「お茶をいれますねぇ」  「ゴミは片付けましたぁ」 今は誰もが嫌がる雑用を 進んでやってくれる。 そこは愛生も感心。そして もうひとつ感心?したのは  「今日は僕が御馳走するよ」 昼前には必ずかかるこの声に 遠慮の一つもないこと。  「入社してから昼飯代、   自分で出したこと、   ないんじゃないかな」 朔也も苦笑していた。 つい、悠未の可愛いらしさが 気になって  「朔也さんは…誘いたくは   ならないの…?」 つい聞いてしまった愛生に  「馬鹿だなあ、僕には   君がいるのに」 これにも苦笑、愛生は  「ごめんなさい」 撫でられる頬を赤らめて 素直に謝った。 ところが・・・。
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