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メイン道路に面する形で数店舗の店がある。食料品店や本屋、薬局、お弁当屋、定食屋、郵便局など田舎町にある商店街の思わせる。お弁当屋で夕飯を調達し、本屋に立ち寄る。本屋では平積みの文庫本を数冊購入して帰路に着いた。
――一応生活して行くには問題なさそうだなと僕は思った。
それから数日間は特に依頼者からの反応はなく、WB LIEでの雑務をこなしていた。所長は何の研究かは分からないが調べ物をしている。手伝う内容からタイムリープに関する事だとは分かるが、時折り医療関係や法律関係の調べ物もある。
詳しく内容を聞くタイミングを逸してしまいよく分からず言われた仕事を行う。里佳子さんも何やら事務仕事をしており、こちらも詳しくは分からない。そのうち分かるようになるだろうとのほほんと捉えていた。
そしてとうとう依頼者からの反応が来たのだった。その日、お昼を取り終わり休憩時間中に文庫本を読んでいた。すると所長の丸テーブルにあるノートパソコンから聞き覚えのないアラート音がした。
共に休憩をとっていた所長と里佳子さんは、ハッとした表情と共にノートパソコンへと小走りで駆け寄っていた。僕はいつもと違う雰囲気に戸惑いを覚えながらも二人の後に続いた。
ノートパソコンに所長がタッチするとアラート音は消え、静寂が訪れた。遠巻きに画面をみるとある日付が映し出されており、それが何を意図するかは何となく分かった。
――20××年11月12日――
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